スタンダードな人物ピクトグラム

8月15日に考える
健康で文化的な最低限度の生活(再掲)

 朝日訴訟とは、重度の結核で国立岡山療養所に長期入院中であった朝日茂さんが、当時の生活保護法による保護基準はあまりにも低劣であって、健康で文化的な生活を営む権利=生存権を侵害する、として訴えた裁判です。「人間にとって生きる権利とは何か」を真正面から問いかける意味で「人間裁判」と呼ばれ、国民的な訴訟支援運動が巻き起こり、また東京地裁も当時の生活保護基準を違憲とする、裁判史上画期的な判決を下しました。

 今から半世紀前、病床にあった生活保護患者・朝日茂さんは、お兄さんからのせっかくの仕送り1500円に対して、900円を国庫に納めよ、という一通の報せに怒りを覚え、国を相手取って行政訴訟を起こしました。
 この訴訟は、「人が人たるに値する生活を勝ち取る」という意味で「人間裁判」と呼ばれました。第一審で画期的な勝利をえて、その後の生活保護基準の大幅な引き上げを実現し、憲法25条を絵に描いた餅にしてはならない、と生存権意識を国民の中に定着させ、日本の社会保障運動の原点となりました。